2016年9月23日金曜日

用語集 (舌下免疫療法に関連する言葉をワードサーフィン的に脱線しながら解説)

アレルギー (allergy)
 免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こること

花粉症 (hey fever)
 I型アレルギー(いちがたアレルギー)に分類される疾患の一つ
 植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、
 発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が
 特徴的な症候群
 皮膚炎や全身症状を除外するかのような上記Wikipedia説明はちょっとね

感作 (sensitization)
 抗原に特異的に反応する抗体ができて、その抗原に対する臨戦態勢になること

減感作療法 (hypo-sensitization therapy)
 感作を減ずる(目的)療法(手段接尾辞)
 療法と言いつつ手段の欠片も感じられないアレなネーミング

免疫的脱感作療法 (immuno-deficiency therapy)
 免疫(対象の限定)の感作を脱する(目的)療法(手段接尾辞)
 減感作が当面の目的であるのに対して、脱感作は究極の目的
 療法と言いつつ手段の欠片も感じられないアレなネーミング
 結局のところ減感作療法と同じ意味
 ちなみに、AIDSはacquired immuno-deficiency syndromeの略

[アレルゲン]特異的免疫療法 ([allergen] specific immuno-therapy)
 アレルゲンに特異的(対象の限定)な免疫(分野)の療法(手段接尾辞)
 特異的でない脱感作はAIDSであって根本療法として成立し得ないし、
 そもそも感作やアレルギーは特定の抗原に特異的な防御反応だから、
 「特異的」に特段の意味は無い
 結局のところ減感作療法と同じ意味

アレルゲン免疫療法 (allergen Immuno-therapy)
 アレルゲン(手段の要素)を用いた免疫(分野)の療法(手段接尾辞)
 今のところ根本療法としての脱(減)感作療法はアレルゲンを用たものしかない(たぶん)
 結局のところ減感作療法と同じ意味(たぶん)

非特異的免疫療法 (2017/01/03追記)
 非特異的減感作療法ってどうよ

舌下免疫療法 (SLIT: sub-lingual immuno-therapy)
 舌下(手段の要素)を通した免疫(分野)の療法(手段接尾辞)
 アレルゲンへの暴露箇所が舌下に特定されたことで、ちょっとだけ療法っぽくなった
 結局のところ舌下でやる減感作療法
 ちなみに、舌下の他には皮下(注射)もある

sub-
 「下」を意味する接頭辞
 他の例:subway(地下鉄)、submarine(潜水艦)、subsection(副章)、subtotal(小計)

lingual
 「舌の」、「言語の」(まれ)、を意味する形容詞
 「言語の」はlinguisticがより一般的だけど、languageとかと語源が一緒なのね φ(. .)
 その語源は医学用語で舌を表すlingua

immuno-
 「免疫の」を意味する形容詞
 語源は免疫を表すimmune
 oで終わる形容詞形は他に、accelero-meter(加速度計)、arachno-phobia(蜘蛛恐怖症)等に

therapy
 セラピー、療法

SLITサポート
 舌下免疫療法の支援アプリ
 服用スケジュール管理や症状記録管理ができて便利
 Web版、スマホ(AndroidiOS)版がある
 すべてクラウドで連携している
 シダトレンとミティキュアに対応

hypo-
 何だか強そうなイメージがあるけど、実はhyper-の対義語で
 〔正常値より〕下の、異常に低いという意味の接頭辞
 水道水の消毒に用いる次亜塩素酸ナトリウム(sodium hypochlorite)の次亜がhypo-
 その中和剤(金魚等向け)のハイポも次亜硫酸ナトリウム(sodium hyposulfite)の略
 だけど、チオ硫酸ナトリウム(sodium thiosulfate)の誤称だってさ (´・ω・`)
 hypo-sensitizationで減感作

副作用 (side effect)
 治療目的に沿わない作用全般
 プログラミング言語の世界では値を受け取って単に決定的に別の値を返すべき関数において、
 ついでに第三の値(状態)を更新してしまうことを意味します
 関数型プログラミングの原理主義者が毛嫌いするアレ

副反応 (side effect)
 ワクチン投与に伴うものは副反応と呼んで副作用と区別しているらしい
 そもそも誰がそんな定義をしたのか[要引用]ですわ
 英語圏ではどちらも(adverse effectあるいは)side effectと表記されるらしい
 鳥居薬局自身も副作用と言っている

アレルゲンワクチン (allergen vaccine)
 WHOが定めたアレルゲン免疫療法薬の一般名称
 米国ではallergen extract、日本では標準化アレルゲンエキス
 日本語のエキスはオランダ語のextract(英語と同じ)由来なので、ほぼ米国と同じ表現
 WHOの提言を守る気無し (^_^;)

JAU (Japan Allergy Unit)
 日本におけるアレルゲン量の単位(活性単位)
 JAU/mlとして濃度表記するのが一般的
 スギ花粉エキスでは対象タンパク質7.3~21μgが10,000 JAUだって
 標準なのに3倍もばらつくなんて...

シダトレン (cedartolen)
 スギ花粉症に対する舌下免疫療法薬のひとつ (液剤)
 要はスギ花粉エキス ( ゚д゚)
 鳥居薬局の登録商標
 スギ(Japanese cedar)と鳥居薬局(?)の合成造語と思われる
 寛容(tolerance)との合成語
 志田未来は関係ない

ミティキュア (miticure)
 ダニアレルギーに対する舌下免疫療法薬のひとつ (錠剤)
 要はダニエキス ( ゚д゚)
 鳥居薬局の登録商標
 ダニ(mite)と治癒(cure)の合成造語と思われる
 シダトレンと一緒に使えないとか使えるとか

舌小帯
 舌の裏(下)の真ん中にある筋

舌下小丘
 舌小帯の下部(舌の付け根)にある出っ張り
 左右に顎下唾液腺がある


おまけ

系統的脱感作
 これはアレルギーではなく、臨床心理学におけるトラウマ解消の行動療法
 ホンマでっかTVでは暴露法とか言っていた
 感作部分を取り除いた暴露部分で治療するところとか、
 不活化ワクチンを用いた伝染病ケアとそっくり
 機序は相当に異なるはずなのに、セレンディピティって素晴らしい。エウレカ!

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